【遺言書について】Q.肝心なことが書いていなかった!

ご相談時の状況

70代の奥様が、ご主人が亡くなったとのことで、ご主人自筆の遺言書を持って相談に来られました。
「遺言状」と書かれた封筒は封印されていました。
「主人が私が困らないようにしてくれてたんですよ。ホントに優しい人だったから・・・。」

ご主人のお子様は、養子も含め、いないとのことです。
ご主人のご兄弟は、ご主人を含め全部で10人。そのうちご主人のほか3人が死亡しておられ、そのお子さん達(ご主人のおいめい)達は8人いらっしゃるとのことでした。

奥様に、自筆証書遺言については、家庭裁判所で相続人の前で開封すること(検認の手続き)が必要であること、全部の相続人を戸籍により特定しなければならないこと、また、残念ながら自筆証書遺言は方式上無効であったり、方式は有効でも、実際には登記などの手続きに使えない遺言が多くあることを(心配させすぎない程度に)お伝えしました。

 

当事務所からの提案と具体的な解決策

「え~!そんなに大変なの!?遺言状がちゃんとできてるんだから、すぐに全部の遺産が私のものになるんだとばかり思っていたのに!」と、かなり取り乱しておられました。
とにかく検認しないとどうしようもないことをお伝えし、戸籍の収集から検認手続きのお手伝いをさせていただくことになりました。

 

当事務所に依頼をした結果

戸籍の収集だけで1ヶ月ほどかかりましたが、相続人を特定し、家庭裁判所に検認申し立て書を提出しました。
検認期日には奥様以外の相続人は誰も訪れず、開封された遺言書を拝見した結果が・・・。

何と、少額の定期預金だけ奥様に渡すとだけ書いてあり、書いてあるべきはずの自宅の土地建物など定期預金以外の財産のことが全く書かれていなかったのです・・・。

一般に、遺言に触れられていない遺産については、相続人の遺産分割協議や相続放棄により処理されることになります。
奥様のケースも、この遺言内容を相続人全員に開示して、定期預金以外の土地建物などの遺産を奥様の名義にできるよう、奥様から他の相続人の皆さんにお願いしてもらうしかありません。

奥様は相当困り果てたご様子でしたが、奥様から相続人皆様へのお願いの文書を一緒に考えていくことにし、その文書が功を奏し、何とか遺産分割協議がまとまりました。
奥様が数ヶ月の相続手続きのストレスから解放された瞬間でした。

当事務所の経験上、お預かりした自筆証書遺言だけでスムーズに相続登記やその他の手続きが進んだことはありません。

その原因は、
・日付を書いていない、ハンコを押していないなどのミス(方式上のミス)
・何が書いてあるか判読できない(方式上のミス)
遺産の内容を全て網羅した内容になっていない(内容上のミス)
・自宅の土地建物を特定の人に相続させたい内容だが、登記ができるほど特定されていない(内容上のミス)
などによります。

確かに自筆証書遺言は、紙とペンとハンコだけあれば書けますので気楽なように見えます。
しかし、検認手続きに時間がかかること、せっかく検認が終わっても方式や内容により使えない場合があることなど、様々なリスクが伴います。

自筆証書遺言がダメとは言いませんが、書かれるならば、そのようなリスクを回避するために、是非専門家のアドバイスを受けながら書いていただくことをおすすめします。

しかし、ここでもう一度考えて見ましょう。

そもそも、遺言は何のために作るのでしょうか?
⇒それは、遺族に迷惑をかけないように相続の手続きをスムーズに行うためです。

そうであれば、やはり、法律のプロである公証人が専門知識を駆使して作成に関わってくれる「公正証書遺言」が一番優れています。若干の費用はかかりますが、自筆証書遺言のリスクとは比較になりません。

当事務所も遺言は公正証書で作成されることをおすすめしています。
当事務所と公証役場の「二つの法律の専門家」の監修のもと、安心できる遺言を残しませんか。

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